3方を道路に面する敷地
敷地は立川駅からほど近い住宅地の中にあります。 3方向が道路に囲まれ、その道路全てが二項道路(現況道路幅員が4mに満たないため敷地側にセットバックが必要)、コーナー部分には2mの隅切が必要、という厳しい道路条件でした。
駐車スペースを確保した上でゆったりとした居間を確保することや周辺環境を考慮し、1階に浴室や洗面室などの水回りと寝室を配し、2階に居間とキッチン、個室を、その上部に階段室を介して小さな屋上スペースを設けました。
玄関
玄関には下足入、傘掛け、ポスト、認印など小物を入れるひきだし、コート掛けを壁面にまとめてつくりました。
玄関出入口からリビングまで間仕切戸が無いので玄関上框(あがりがまち)部分に外気の侵入を和らげるための収納引戸を設けています。
リビング
2階の居間は天井高さを大きく確保し、その高さを利用してコレクションのレコードを収納するための棚を製作しました。棚の間には開口を設け、棚裏の階段北側からのやわらかな光を居間に採り入れています。 面積バランスを考慮し各室にはなるべく家具を置かず造り付けの家具や収納を設けスッキリとした生活スペースを確保することを目指しました。これによりコンパクトながら広がりを感じることができる豊かな住まいが得られました。
階段は片側を鉄骨で支える製作階段です。下の階に少しでも光が入るように蹴込部分のないオープンな階段にしました。リビング側の収納棚も同様に一部の背板をつくらずにオープンにしています。
階段の踏面はサイザル麻を敷き、2階から屋上への階段上部には階段にそってハンガーパイプを設置し室内干しの際に利用します。階段は屋上の窓を開けると風の通り道になります。
テレビやパソコンの周辺には電気配線が露出しがちです。完全に見えなくすることは難しいですが、できるだけ目立たなくしたい箇所です。テレビ台の下にはオーディオ機器があり上部棚にスピーカーがあります。柱と同材のカバーをつくりスピーカーのための配線を隠ぺいしました。
パソコンカウンター下にアダプター等を収納できるコンセント棚を設け、カウンター配線孔を通して机上のパソコンに接続します。
家具製作キッチン
キッチンはシンクコンロカウンターとバックカウンターを製作しました。シンク前の立上り壁に小さな調理器具を収納する棚も設けました。
可変性のあるプラン
寝室と個室は通常はそれぞれ1室として利用しますが、必要に応じて2室に分割することができます。
それぞれ押入れ内部に引戸を収納してあります。
洗面室 浴室
洗面カウンターは間口2,500mmとゆったりと確保しました。カウンター前には三面鏡になる収納扉を設けました。洗面、浴室、トイレには一部モザイクタイルを貼り、洗面床にはサイザル麻を敷きました。