船橋の住宅

道路側外観.
検討模型.
検討模型.

シンプルな形状
 敷地は数十年前に開発された静かな住宅街の一画にあります。周辺には当時建てられたであろう住宅が建ち並びますが部分的に建てかえがすこしずつ進み、既存のものだけではなく新しいコミュニティーもつくられていっています。土地探しの段階から相談を受けました。
 設計に際しては、南北に縦長形状の敷地に対して北側にコンパクトに住まいをまとめ、南側に庭と駐車場に設けることにしました。
 太陽熱を利用した暖房システム(環境創機「そよ風」)を採用するため、屋根形状はシンプルな切妻屋根としました。プランも単純な矩形にすることによってコストも抑えています。

南側外観.

玄関アプローチ
 玄関までのアプローチには板塀とあわせた門扉を設けました。門扉脇の建物外壁にインターホン、ポスト口を設けて郵便物は室内から取り出すことができます。
 玄関ドアは米松の製作建具です。玄関ドアの脇には木製の面格子を取り付けた採光窓があり、玄関に外光を採り入れています。

門扉.
玄関.
台所から玄関収納を見る.
玄関収納入口の引戸を開けた状態.

玄関収納
 玄関には下足入などの収納を設けず、隣接する玄関収納を設けました。内部には靴棚、傘掛け、コート掛けがあり、居間を通らずに直接台所に行くこともできます。
 玄関収納を設けるにはプランの制限がありますが、棚やコート掛けは単純な構造ですので家具工事ほどコストはかかりません。中に入ってしまえばオープンな収納なので使い勝手も良く、引戸を閉めてしまえば来客の目に触れることもありません。

上部からの光を採り入れたリビング
 リビングダイニングは南面にまとめ、中央に階段を設けました。南にはウッドデッキを設けリビングの拡がりがを感じられるようにし、上部からの光が1階にも届くよう2階の一部床はスノコ状にしました。
 食卓と一体的に使えるベンチの他、テレビ台、カウンターコーナーを造り付けました。

テレビ台とカウンターコーナー.写真左は太陽熱を床下に送るダクト.
スノコ状の2階床から上部からの光も採り入れます.
船橋の住宅
リビング階段.
ウッドデッキ.
キッチン.
キッチン.

キッチン
 他の家具や建具と合わせた製作キッチン。
 リビングダイニング対面する位置にシンクを、コンロはL型に伸ばした壁側に設けました。

オープンスペース
 2階は開放的なオープンスペースとし家具の配置でフレキシブルに利用できますが、押入れに収納している建具を設置することによって一部を個室として利用することもできます。
 間仕切壁は天井と床の溝を使って簡単に設置することができます。
 ベランダは南側全面に設けオープンスペース、寝室から出入することができます

2階のオープンスペース.
バルコニー.
オープンスペースからベランダを見る.
天井と床の溝を使って間仕切壁を設置することができます.
オープンスペースからロフトを見る.

ロフト
 2階上部には屋根形状を利用してロフトと収納を設けました。ロフトの天井はルーバー状になっており、内部には屋根で集めた太陽熱を床下におくる機械があります。ダンパーを切り替えることにより室内の空気を循環させることもでき、上下温度差を緩和することができます。

ロフト.
天井ルーバーをはずした状態.
ウォークインクローゼット.
プライベートな水廻り.
ユニットバス.
船橋の住宅

四角形のプランにまとめたシンプルな切妻形状の住宅.
屋根で集めた太陽熱を利用して室内を暖めるシステム(そよ風=環境創機)も導入しています.

建 設 地:千葉県船橋市
工事種別:新築 専用住宅
規模構造:地上2階建 / 在来木造
敷地面積:117.45㎡(35.52坪)
建築面積: 52.99㎡(16.00坪)
建 蔽 率 : 45.11%(許容 60%)
延床面積: 99.36㎡(30.00坪)
容 積 率 : 84.59%(許容160%)
用途地域:第一種中高層住居専用地域 / 法22準区域 / 第一種高度地区
主要用途:専用住宅(夫婦+1人)
設計期間:2010年10月~2011年3月
工事期間:2011年4月~2011年10月
設 計 :深澤明+高橋麻紀
施 工 :金正

『船橋の住宅』ふなばしのじゅうたく